漫画家 広島県府中町PR大使 田中 宏

広島を舞台にしたヒット作『BAD BOYS』で知られる
漫画家の田中宏さん。作画の参考にマエダハウジングの
モデルハウスを活用されたご縁から
前田社長との対談が実現!
府中町に住み
漫画家として活動
前田
田中宏先生といえば、我々世代には漫画『BAD BOYS』の作者として有名です。
広島を舞台に、暴走族の若者たちの青春を描いた物語で、映画化もされています。今日は府中町にある弊社のモデルハウスに来ていただきましたが、先生は府中町にお住まいなんですね。
田中
私はこの町で育ちました。デビュー後、漫画家として仕事していくために東京に引っ越しましたが、3年後に出版社を説得して故郷に戻り、それ以来ずっと府中町を拠点に活動しております。
前田
実は府中町は弊社の創業の地なんです。もう32年になります。
田中
マエダハウジングさんには、以前作画の参考にモデルハウスを見せていただきました。地元・府中町で長く活動されている会社だから信頼できると思い、お願いした次第です。
前田
ところで、『BAD BOYS』は先生の実体験や身近な出来事を参考にされたんですか?
田中
よくそう聞かれるんですが、実は私はバンド少年でして。高校生の頃に漫画家としてデビューし連載が決まったとき、漫画家を職業にしようと思っていたので、そうするには売れる漫画を描かないといけない。それで、バンド仲間や音楽仲間、クラスメイト、真面目そうな子など、あらゆるタイプの子に「どんな漫画だったら売れると思う?」とリサーチしまくったんです。すると誰もが必ず「やっぱりヤンキー漫画が一番売れると思う」と言うんです。考えてみれば周りにそういう友だちもいるし、「よし!描けるな!」と思いました。
前田
そこからあの大ヒット作品が生まれたんですね。
田中
新連載のチャンスをもらったんですが、「新人はまず10話連載して人気の度合いで評価されて延長することもあるし、10話で終わるときもある」と噂で聞いて。『BAD BOYS』は10話の中でいろんな不良のジャンルを紹介する漫画にしました。ところが人気が出てそのまま延長が決まり、長期連載になって22巻まで出しました。
高校生でデビュー
漫画を描き続けて37年
前田
デビューは高校生の頃ですか?
田中
はい、高校3年生のときに創刊したばかりの「ヤングキング」でデビューしました。でも初めて漫画作品が雑誌に載ったのは、14歳なんですよ。
前田
その頃から漫画家を目指していたんですか?
田中
いえ、実はバンドをやるためにドラムセットを買いたかったんですが、値段を調べると16万円もする。中学生ができるアルバイトは新聞配達くらいしかなくて、その時給ではなかなか買えない。ある日、漫画雑誌を読んでいると、「漫画新人賞募集 入選賞金50万円」とある。これだ!と思い、小池一夫先生が立ち上げた「劇画村塾」の新人賞に応募したら入選したんです。授賞式で東京に行き、その賞金でドラムセットも買えました。翌年、今度は電子ドラムがほしいなと思い、また応募、するとまた入選……で、漫画ってちょろいな、とナメていたところがありました。
前田
すごいですね、高校生でデビューしてからも順調だったんですか?
田中
連載の人気が出て順風満帆でしたが、漫画自体をナメていたせいで、その後ひどい目に遭いました。というのが、努力もしていないし専門的な教育も受けていない、描いても描いても全然上手くならなくて。まわりは上手い人ばかりだし、これじゃいけないと、もうそこからは必死で努力して、必死にもがき続けながら37年やってきました。
前田
そんな経験をされていたんですね。
広島を元気にするため
発信し続ける
前田
先生は府中町PR大使をされていますね。先生が描かれた府中町のPRアニメを拝見しました。イオンモール府中とか水分峡とか、知っている場所がたくさん出てきていましたね。
田中
今、続編を作っている最中です。府中町は、どこよりもいいものを作ろうという気概があるので、私もやりがいがありますね。アニメを見た人がこの町に住みたいなと思ってもらえるようなものにしたいです。
前田
私どもは不動産業もやっていますが、府中町内に住みたいという方は多いですよ。ところで先生は以前、旧広島市民球場に個人で看板広告を出されましたが、広島に対しての思いやお考えはありますか。
田中
広告を出したのは2007年ですね。あの頃カープの人気が落ちていて枠が空いて困っているというので、それなら!と看板を出しました。
前田
そういう経緯があったんですね。今、ラジオでもご活躍されていますね。
田中
毎週金曜日にRCCラジオの『WひろしのFRIDAYヒーロー』に出ています。前の番組からだと、7年ぐらいになります。RCCラジオにはお世話になっていますね。ラジオを通して農家の方や漁師さんなど、いろいろな産業に携わる方とお話をするんですが、そういう方が儲からないと町自体に元気が出ない。ラジオでも言っていますが、広島にはワカメやウニなど、いろんな良いものがあります。ラジオも今はradikoなどで県外の方にも聞いてもらえるので、広島にはこんな魅力があるということを伝えたい。そして広島がもうちょっとお金を稼げる町にしていくことが第一。そうすれば若い人たちが広島に住んで、仕事をして、人も増えて、活性化していく。そのためにラジオで広島の良さを話して、漫画でも「広島の街って楽しそう、行ってみようかな」と思ってもらえるように、広島の漫画を描き続けます。自分ができることで、人のため、街のために役に立てることを第一に考えています。ラジオも漫画もSNSも「やっぱ広島、良さそうだな」って感じてもらえることを発信し続けたいですね。
前田
私も経営者として広島を盛り上げていきたいので、よろしくお願いします。最後に、住まいについての思いがおありでしたら聞かせていただけますか?
田中
私は生きていくために必死で漫画を描いて来たので、家を建てるときは忙し過ぎてあまり考えなかったから後悔ばかり。これから家を建てるという方には理想の住まいをしっかり思い描いてから建ててほしいですね。
前田
私どもではリフォームも手掛けていますのでぜひ(笑)。今日はお忙しい中、いいお話をありがとうございました。
漫画家 広島県府中町PR大使
田中 宏
広島出身の漫画家。高校在学中に漫画家デビュー。
1988年に連載を開始した大ヒット作『BAD BOYS』は広島を舞台にしている。
他の作品に、『BAD BOYSグレアー』『KIPPO』『莫逆家族』など。