父所有の建物を引き継ぎリフォームして暮らす

憧れのキッチンから
広く暖かいリビングで
過ごす家族を見守る喜び
【安芸高田市 I様邸】
I様のご両親が営む店舗の横に、店の営業の合間に休憩や食事ができるようにと建てられた家があった。I様ご夫婦は、ご主人が結婚前まで暮らしていたこの家をリノベーションして、家族4人の住まいにすることにした。マエダハウジング発行のリノベーション雑誌『リノスタイル』で見た事例にセンスの良さを感じ同社に相談。要望に対して多くの提案がされたことや、現地調査で既存のものを最大限生かそうとするスタッフの姿勢に感動したことで、正式に依頼を決めた。
 I様の要望は、子どもたちが元気に遊べるような広いリビングの実現。1階で生活が完結できる間取りにし、リビングに開口部を増やして明るさを室内に多く取り入れたいと考えた。冬は寒さが厳しいため、断熱材を着実に施工し、キッチン以外の床は温もりが伝わる無垢材に。子どもの健康に配慮し、壁はアレルゲンを吸収したり室温を一定に保つ効果を持つ珪藻土や漆喰で塗った。トーヨーキッチンの採用や、アクセサリー製作のためのアトリエ確保など、奥様の要望もしっかりとプランに反映。家電製品や食器が全て隠れるキッチン収納や、照明はアメリカンスイッチにするなど、できるだけ生活感が出ない工夫も凝らした。
 アカシアの無垢材を張り、壁はスペイン漆喰にした広々リビングは、家族のくつろぎ空間。大きく開口した窓からは明るさが取り込める。友人を招いて料理を楽しむことにも活躍する自慢のキッチンは、使い勝手も抜群だ。また、アトリエの完成で、奥様はリビングで遊ぶ子どもたちの様子を見ながらアクセサリー製作ができるようになったことも喜ばしく感じている。「寒い冬にエアコンをずっと稼働させても空気が乾燥している感じがあまりなかったので、これは自然素材の壁のおかげかも」と奥様。個性的な空間づくりを目指したI様邸は、壁のクロスも色や柄が多彩なのが特徴。気に入った輸入クロスをピックアップした後、使う場所を当てはめていったというのもユニークだ。
 間仕切りの多い部屋に悩みながら間取りを決め、女性コーディネーターとともにクロスやタイル選びを入念に行って理想の家を手にしたI様。「好きなように要望させてくれた」と大満足の様子だ。
Kitchen
こだわりのキッチンとモザイクタイルで奥様の夢を実現
奥様の憧れだったトーヨーキッチンを採用。横の壁と背後のキッチンカウンターの背面には、印象的なモザイクタイルを全面にあしらった。
キッチンカウンター横には土付きの野菜洗いに便利なシンクと、見た目がクールな生ごみ処理機を配置。
シルバーのプレートがおしゃれなアメリカンスイッチを採用。
キッチン横には両面収納できるパントリーを確保。床には水濡れに強いフローリングを斜め張りした。
Before
After
Living
3つの空間をつなげて自然素材に包まれた家族の和み空間が誕生
キッチンとは床材を変えることで緩やかに空間を仕切ったリビング。アカシアの無垢材の風合いが、手持ちのソファともマッチしている。
ウッドデッキへ出るテラスドアと床の段差部分に収納付きステップを造作した。
寝室の壁に可動棚を取り付け、帽子を集めてディスプレーしているように収納。アクセントクロスも個性的 。
手前は寝室の引き戸、奥はLDKのドア。それぞれ塗装の色を変えるという細かなこだわりが見える。
Atelier
子どもたちと同じ空間で製作に集中できる半個室感覚のアトリエ
リビングの一角に設けた奥様のアトリエ。半個室感覚でドアは設けずにFIX窓でリビングと仕切り、子どもたちを見守りながらアクセサリー製作に打ち込める 。
瓦葺きの家を家族4人のマイホームにリノベーション。玄関まわりも一新し、ご主人手づくりの目隠し用の柵を新設した。
玄関の靴は可動棚を取り付けて“見せる収納”を実践。照明の映り込みも美しい。
種類のタイルを張り分けた洗面室。円形の大きな鏡も個性的でスタイリッシュな印象を与える。
正面の壁にエコカラットをあしらったトイレ。配管やコンセントはほこりが付かないようカバーで覆った。
Before
After